■日本型経営 カースト制なし
--2001年ごろ、インドのマルチ・スズキの工場を訪ねたことがある。カースト制で大丈夫か、と思っていたら、オフィスは大部屋、役員も管理職もブルーカラーも同じ大食堂で食膳を並べていた。現場ではみんな平等の立場で「カイゼン」案を出し合っていた。どこにもごみ一つ落ちていない典型的な日本の工場だった
「進出した1981年当時は、もう、野原だった。満州の荒野と一緒だよ。周りは牛臭くて、クジャクやサルがたくさん動き回っていた。今は交通渋滞。もう10階建て、5階建て、8階建てのビルができちゃって、町になっちゃってね」
--今、マルチ・スズキは年産100万台を維持している
「去年は百十何万台。この6年ぐらいは100万台前後で、中だるみなんですね。ちょっと安心感っちゅうか、2番バッターがヒュンダイ(韓国の現代自動車)で国内販売は45万ぐらいですから」
--トヨタとは競合しないようだ
「トヨタはレクサスを中心に売ってますからね。高級車を中心に。小さいやつはスズキに勝てそうもないということで、皆さん大型を中心にやってますね」