--海外展開はインド、ハンガリーというふうに、他の大手が目をつけないような所で真っ先に進出の決断をしている。そのときの判断基準は
「やっぱりオートバイからスタートしましたから、軽自動車というより小さい車をまず手掛けたということがありますね。だから、実力に分相応の車を作って、海外へ出たということで、もう大きい車作ったらうちはとても無理でしたよ。軽自動車に毛の生えたようなものを作るということで、インドネシアに1974年に進出。75年にはパキスタンで工場作って、それで政府と一緒にやったんです。インドと一緒ですよね」
--随分早く、パキスタンに進出した
「だから、パキスタンはシェア1位だよ」
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多民族、多宗教のうえに身分制度が厳しいインド。鈴木さんが以前、「カースト制ってあったっけ」と名言を残したほど、日本化に成功している。イスラム文化のパキスタンでも、ものづくりに成功する。鈴木さんは「表には出せないような失敗を散々してきた」とも言うが、日本型経営の普遍性を身をもって実証してきたに違いない。(聞き手は産経新聞特別記者田村秀男)