【開発物語】アサヒフードアンドヘルスケア「クリーム玄米ブラン」 (2/6ページ)

2015.4.6 05:00

3月2日にリニューアル発売されたクリーム玄米ブランブルーベリー

3月2日にリニューアル発売されたクリーム玄米ブランブルーベリー【拡大】

  • 2001年秋に発売されたフルーツクリームブラン
  • クリーム玄米ブランの開発に携わった多々羅みささん、大倉剛さん、鈴木章子さん(左から)

 一方、ブランを増やしたことで、粘着力を与えて生地をまとまりやすくする「つなぎ」がうまくいかず、ビスケットが割れやすいという欠点が課題となった。口元から生地がぼろぼろとこぼれやすくなることについて、多々羅さんは「消費者が『食べにくい』と感じるのか、『素材感を味わえる』と感じるのか。ちょうど良い生地の状態にしよう」と、生地にブランなどを混ぜるタイミングを変えるなど、製造工程でさまざまな工夫を凝らした。完成した商品について、多々羅さんは「これまでの開発における集大成となった」と自信を見せる。

 開発チームがここまで原点にこだわるもう一つの理由は、クリームをビスケットで挟む「クリームサンド」の手法が、栄養調整食品の革新につながったという思いがあるからだ。

 クリーム玄米ブランが発売された01年当時、健康を訴求するビスケット状の栄養調整食品は「食べにくかったり、味が良くなかったりした」(大倉剛同研究所長)という。だが、「クリームサンドにしたことで、食べやすく、味も改良しやすくなった」(同)と振り返る。クリーム玄米ブランのヒットで、翌年の同社の栄養調整食品ブランド「バランスアップ」シリーズの売り上げは、前年比約30%増と貢献した。

 マーケティング面では、広告や製品パッケージに「ザクザク」「ザクッと」というフレーズを入れた。食品マーケティング部の鈴木章子プロデューサーは「『健康素材』を多く配合したことと、『おいしさ』を両立させていることを消費者にしっかりと伝えるよう工夫している」と話す。消費者へのアプローチは、2年前までの「まるでスイーツのような栄養調整食品」から、近年の健康ブームを踏まえ、「玄米、ブランには食物繊維が豊富に含まれること」を前面に出し、徐々に浸透している。

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