クリーム玄米ブランなどの栄養調整食品は、スーパーやコンビニエンスストアでスナックなどの菓子専用棚に置かれるケースが散見される。開発陣は「『棚にあるどのお菓子よりもおいしく、なおかつ栄養が入っている』というコンセプトでないと絶対売れない」(大倉所長)と考える。そこで、お菓子と比較されても遜色ないおいしさとともに、健康感のある食材・食感が実感できることを目標に掲げてきた。
中でも、多々羅さんのこだわりは「次に食べたくなるような味わい」だ。食べたときにおいしいと感じるのは当然で、口の中にいつまでも甘さが残っていると次に食べにくいと考えている。
最近の自然食ブームは追い風だが、商品開発の信念にぶれはない。2008年に玄米を取り入れたときもそうだった。当時、玄米はマクロビオテックと呼ばれる「玄米菜食」「自然食」の流行で人気があった。
ただ、玄米を生地に混ぜて焼くと香ばしさが強調されて単品としてはおいしいが「甘酸っぱいブルーベリーを入れたクリームとは少しけんかしてしまう」(多々羅さん)。
最適な味のバランスを見つけようと、ブルーベリーの配合を変えた試作品を何十種類も用意し、食品マーケティング部の担当者と食べながら、試行錯誤を重ねた。