流通各社の2015年2月期決算からは、消費者のニーズの多様化に細かく対応する「質の経営」へ転換できたかどうかが、生き残りの鍵を握ることが示された。
その象徴が、コンビニエンスストアのセブン-イレブン・ジャパン。高付加価値のプライベートブランド(PB、自主企画)商品を効果的に投入し、最高益を達成した。
4年連続で過去最高の営業利益を達成したセブン&アイHDは、セブンイレブンで価格が高めだが高品質のPBを投入し、3月までの既存店売上高は32カ月連続の前年比プラスを確保する見通しだ。
セブン&アイの村田紀敏社長は「二極化消費が明確で、値段を安くすれば売れる時代ではない」としている。
これに対し、ローソン、ファミリーマートは、増税後の消費低迷を跳ね返せるだけの商品を打ち出せず、既存店売上高のマイナスが続いている。SMBCフレンド調査センターの田中俊上席主任研究員は「社会構造の変化を含めた消費者ニーズの多様化にきめ細かく応じていくことが必要だ」と指摘する。