昨年後半から急落していた原油価格が反発している。価格急落の要因となっていた米国産シェールオイルの増産に鈍化の兆しが見え始めているためだ。中東産油国などでつくる石油輸出国機構(OPEC)は減産に動く兆しはなく、6月の総会でも減産を見送る公算が大きいが、ガソリンなどの需要が高まる6月以降は価格がさらに上昇するとの見方も強い。国内でこれまで広がっていた原油安の恩恵が薄らぎ、景気回復に水を差す可能性もある。
国際指標となる米国産標準油種(WTI)の価格は、3月に1バレル当たり43ドル台にまで落ち込んだが、今月23日のニューヨーク原油先物相場では6月渡しが前日比1.58ドル高の57.74ドルで取引を終えた。昨年12月中旬以来、約4カ月ぶりの高値水準となった。
背景には、サウジアラビア軍などによるイエメンへの空爆が続き、中東原油の供給不安が広がっていることや、米国の原油生産がさらに減少するとの観測がある。
米エネルギー情報局(EIA)によると、17日時点の原油在庫(戦略備蓄を除く)は4億8900万バレルと高水準で、供給過剰感は否めない。しかし同日時点の産油量は前週比0.2%減の日量936.6万バレルで、2週連続で減少した。
また米石油サービス会社ベーカー・ヒューズによると、米国で原油生産に使うリグの稼働数は17日時点で734基。ピークだった昨年10月の半分以下に減っている。この間に原油価格が急落し、シェール各社が採算が合わないとして新規投資を抑えているためだ。