□【浜松物語「やらまいか」精神を訪ねて(10)】
--浜松市に隣接する磐田市に本社を置いている
「グローバル展開を進めているが、本拠地は日本に置いておきたい。先行的な技術開発を行っていくうえで、部品メーカーと一緒にモノづくりを進めていく必要があるが、そのベースがこの地域にある。本田技研(ホンダ)さんは東京に行かれたが、われわれはここで、部品メーカーとの強力なチームを築いてモノづくりを行っている」
--製造業にとって、有力なサプライヤーの存在は重要だ
「強いチームがなければよい製品は作れない。二輪でも四輪でも一般に内製品が約2割で、8割を部品メーカーに供給してもらっている。それゆえ自動車業界と同様に、完成車メーカーと200~300社に上る部品メーカーとの総合力が勝負になる」
--浜松地域でモノづくりを行うメリットは
「昔から数多くの部品メーカーがある。三河地域に隣接しており、自動車部品を手がけている会社も多い。旧制浜松工業専門学校を前身とする静岡大学工学部をはじめ、モノづくりに対する教育の水準も高い。歴史的にも、繊維機械から製造業が発展してきた経緯があり、モノづくりに対する姿勢が非常にしっかりしている。そういうベースが歴史的にできている浜松地域にいたので、別に東京に行きたいとは思わない。海外売上比率が約9割に達する中で、われわれは東京を見て仕事をしているのではなく、世界を見ている」
「(浜松地域は)われわれにとっての心のふるさとであり、『ヤマハらしさ』(の一つの柱である『結』)を大事にしながら部品メーカーと一緒にモノづくりができるということで、浜松地域に居続けている」