ただ、石油由来で「油」の性質をもつプラスチックに対し、CNFは水との親和性が高く、そのままではプラスチックと混ざりにくかった。
大ガスは、独自開発した石炭由来の化学素材「フルオレン」をCNFの表面に吸着させる方法を開発。CNFの表面のみ「油」に近い性質にし、プラスチックに混ざりやすくした。
開発品は「フルオレンセルロース」と名付け、4月からサンプル品の出荷を開始。すでに樹脂メーカーなどから引き合いがあるという。特許も出願中だ。
近年自動車や家電製品では、軽量化につながるプラスチックの利用が拡大。自動車の車体重量のうち約9%を占めるとされるプラスチック部材をCNFでの強化樹脂に置き換えれば、約20キロ軽量化できるとの試算もあり、大ガスは自動車部品などでの採用を目指す。