■南アフリカで砂漠農地化に貢献
≪STORY≫
南アフリカの砂漠を繊維の力で農地に変える-。東レとニットメーカー、ミツカワ(福井県越前市)が砂漠やコンクリート上で、植物を育てる土壌の代わりになる筒状の農業資材繊維「ロールプランター」を開発し、壮大な挑戦を続けている。ロールプランターは、東レの作る植物由来の繊維をミツカワの技術で編んだもので、培養土を入れて農作物を育てる。砂漠化の進行を食い止めることや、食糧問題の解消などが期待されている。
南アフリカ・ヨハネスブルク近郊の小学校跡地。計1200平方メートルの土地にロールプランターが敷き詰められ、昨年、青々としたピーマンやトウモロコシが実った。
ミツカワの松本茂登社長は目の前に広がる成果を見て、「日本での試験よりも作物が少なかった。もっとたくさんできる」と手応えを感じた。東レ繊維GR・LI事業推進室の佐々木康次室長は「地元から大きな反響があった。事業として確立したい」と振り返る。
開発が始まった契機は、松本社長が2002年に見たテレビ番組。鳥取大などが取り組む中国での砂漠緑化を取り上げた内容を見て、「10年、20年先を考えたとき、環境に商機があると思った。ニットの技術で何かできないかと考えた」(松本社長)。
鳥取大と協力するとともに約1年かけて調査し、目をつけたのが砂漠緑化法の一つである草方格だ。砂漠上に低い柵を格子状に配置して風による砂の移動を防ぎ、自然に飛来する種が定着することで植物が育つ環境を作る。松本社長は05年から、中国の内モンゴル自治区の7カ所で実証している。