国内で新車販売が伸び悩む中、自動車大手は顧客の購買意欲を左右する販売店の改革を急いでいる。マツダは2018年度までに、県庁所在地と政令指定都市の販売店を高級感のある内外装にした新型の店舗に順次改装。スズキは統廃合で販売店の大型化を進める。小型車や燃費性能の高い車が人気を集める一方、販売店は高級化や大型化で顧客を取り込もうと懸命だ。
今年1月にリニューアルした関東マツダの目黒碑文谷店(東京都目黒区)は、著名な建築家が設計を担当。黒を基調に曲線を施し、木材も使った外観が高級感を醸し出す。2階のショールームはガラス張りで、スポーツ用多目的車(SUV)「CX-3」や小型車の「デミオ」など鮮やかな赤色の車が並ぶ。
納車時に鍵を受け渡す専用の個室も設置。サービス面でも工夫を凝らし「来店時のアンケートをやめ、会話の中で顧客情報を収集する自然な接客」(片桐洋志店長)に切り替えた。新規の顧客は改装前の3、4倍に伸び、車の愛好家や輸入車オーナーの来店も増えたという。