MERSの拡大を受け、ソウル市内ではマスク姿の人が目立っている=5日(AP)【拡大】
韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が増える中、一部の日本企業は関係地域への出張を自粛するなど対応に乗り出している。一方で除菌関連商品には問い合わせが相次ぎ、注文が増えているメーカーも出始めた。旅行業界では目立ったキャンセルの動きは出ていないものの、感染がさらに膨らめば旅行取りやめが広がることを懸念する声もある。
韓国人男性の感染が確認された中国・広東省に電子部品工場を持つソニーは、同省恵州市への出張を一部部署で自粛。日立製作所は、渡航禁止や現地駐在員の帰国措置などは取っていないものの、社内の掲示板などでリスク情報を提供して社員に注意を促している。
三菱自動車は、部品の輸入販売を行う現地法人があるアラブ首長国連邦(UAE)でMERSの流行が指摘された2012年から駐在員に対して定期的に注意喚起を続けており、今後も継続するという。トヨタ自動車やホンダなど自動車各社は出張を自粛していないが、日産自動車は「外務省の渡航情報に応じて対応する」とし、情報収集を続けながら事態の推移を見守るとしている。