東京電力の石炭火力発電所、常陸那珂火力発電所。原発事故と電力小売り自由化で石炭の存在感が増している=茨城県東海村(同社提供)【拡大】
政府は温室効果ガスを30年度までに13年度比で26%削減する目標を掲げる。しかし、石炭火力は二酸化炭素(CO2)排出量が、LNGの実に2倍以上あるとされる。
環境省はこの日、大型石炭火力発電の新設について、CO2削減の観点から「現時点では是認しがたい」とする環境影響評価(アセスメント)の意見書を経済産業省に提出した。
具体的に環境省が“やり玉”に挙げたのが、電源開発(Jパワー)と大阪ガス、宇部興産の3社が共同出資する「山口宇部パワー」が計画する「西沖の山発電所(仮称)」。60万キロワット級の石炭火力発電所2基を17年に着工し、23年に1号機の運転開始を目指している。
Jパワーの幹部は「事業そのものが否定されたものではない」と話す。だが、過去には、09年に環境相が新設に反対意見を出し、建設中止に追い込まれた小名浜発電所(福島県いわき市)の例もある。環境省の警告に業界は「石炭火力の新設が今後難しくなるかもしれない」(大手電力幹部)と、戦々恐々としている。