東京電力の石炭火力発電所、常陸那珂火力発電所。原発事故と電力小売り自由化で石炭の存在感が増している=茨城県東海村(同社提供)【拡大】
石炭火力の新設に厳しい目を向ける望月環境相は、先月の会見で「(政府の)温室効果ガス削減目標や最適な電源構成(ベストミックス)は取りまとまったが、電力業界の枠組みは、いまだ構築されていない」と述べ、電力業界に苦言を呈した。
もちろん電力業界も何もしていないわけではない。政府の目標を受け、早期に「新規参入者を含めた業界全体での削減目標を作る」(電気事業連合会の八木誠会長)方針だ。
ただ、政府のベストミックス案は6月1日に固まったばかり。環境相の苦言に対し、業界内では「そもそも政府のベストミックスが決まらなければ、電力会社としても温室効果ガスの削減目標を決められなかった。業界の動きが決して遅いわけではない」(大手電力関係者)などと恨み節も聞かれる。
しかし、既に石炭火力の新設計画はめじろ押しだ。関西電力は丸紅と共同で秋田県で出力計130万キロワットの新設を計画。九州電力も東京ガスや出光興産と組み千葉県で建設を予定するなど、現在計画されている新設石炭火力の設備容量はおよそ1300万キロワットに上り、ほぼ原発13基分に匹敵する。