東京電力の石炭火力発電所、常陸那珂火力発電所。原発事故と電力小売り自由化で石炭の存在感が増している=茨城県東海村(同社提供)【拡大】
景気上昇ムードに水
政府は発電量に占める石炭火力の割合を13年度の30%から、30年度には26%程度に減らす想定だが、既存設備と合計すると確実にオーバーする。
だからといってLNGなどを燃料とする火力発電や再生可能エネルギーを増やせば、電気料金の上昇に直結する。ある素材メーカー幹部は「電気料金がさらに上がると、せっかくの景気上昇ムードに水を差しかねない」と懸念を口にする。
東日本大震災後、ただでさえ火力燃料費が増え、家庭向けの電気料金は2割近くも上昇した。それだけに安価な石炭火力に対する期待は大きかった。CO2を排出せず運転コストも低い原発の稼働ゼロが続く中、日本のエネルギー政策は新たな課題に直面している。(大柳聡庸)