溶けた鉄を鋳型に流し込む楠原製作所の従業員。電気料金の上昇は、経営を圧迫している=3日午後、福岡県須恵町【拡大】
ようやく川内原発1号機(鹿児島県)が再稼働した九州電力。火力用の燃料費負担が減り収益が上向けば、高騰した電気料金値下げの可能性が高まるため地元経済には朗報だ。一方、全国をみると、原子力規制委員会に新規制基準に基づく適合性審査が申請された15原発25基のうち合格したのは、川内1号機のほかに3原発4基のみ。再稼働が遅れる地域は、燃料費高騰で電気料金がさらに上がる恐れもあり、地域経済の回復に「優勝劣敗」が生じかねない。
企業努力には限界
「企業努力でコストを抑えてきたが限界だ。原発が動くなら電気料金を東日本大震災前の水準に戻してほしい」
8月上旬、福岡県須恵町の鋳造業、楠原製作所の工場内で、楠原公規社長は汗をぬぐいながらこうつぶやいた。
目の前では、真っ赤な炎を上げる電気炉2基に鉄片が次々と落とし込まれていく。ドロドロに溶けた鉄は鋳型に流し込まれ冷やされて、マンホールや機械部品などに成型されていく。