溶けた鉄を鋳型に流し込む楠原製作所の従業員。電気料金の上昇は、経営を圧迫している=3日午後、福岡県須恵町【拡大】
それだけに原発再稼働への期待は大きい。九電は川内1号機のほか、原子力規制委員会による適合性審査に合格済みの同2号機と、まだ合格していない玄海3、4号機(佐賀県)が再稼働すれば月350億円の収益改善効果があるとみる。年間の業績が黒字に転じれば、電気料金値下げの余地も広がる。
民間シンクタンクの九州経済調査協会は、原発再稼働で火力用の輸入燃料費が1000億円減れば、「富の流出」を防げ、域内総生産は0.2%押し上げられると試算する。「電気料金が下がれば消費や企業投資が刺激され、さらに総生産は上がる」(調査研究部の岡野秀之次長)としている。
広がる電気料金格差
ただ適合性審査の厳格化もあり、全国の原発再稼働は遅々として進まない。再稼働しない地域は料金値下げどころか、火力用の燃料負担の高止まりで一層の値上げを迫られかねない。心配されるのは、再稼働時期の差によって電気料金の地域格差が広がることだ。