溶けた鉄を鋳型に流し込む楠原製作所の従業員。電気料金の上昇は、経営を圧迫している=3日午後、福岡県須恵町【拡大】
実際、震災前の11年2月、標準家庭向け料金が大手10社中、最も安かったのは北海道電力だった。しかし、その後の2度の抜本値上げで、1度しか値上げしていない東北電力などを追い抜き、来月には10社中2番目に高い料金になる。再稼働の時期次第で“ランキング”はさらに変動する可能性がある。
「同じ技術力で同等の製品を作っている企業同士なら、電気料金が低い地域の企業が競争に有利になる」。東京電力管内にある埼玉県川口市の鋳造業、辻井製作所の辻井裕樹常務はこう指摘する。
同社は建設機械関連などの受注が落ちたにもかかわらず、電気料金は震災前より月150万円ほど上昇している。「安全性を確認し早く原発を動かしてもらいたい」(辻井常務)と、競争環境改善を求める気持ちは強い。
16年4月には電力小売りが全面自由化される。新規参入事業者の多くは大手を基準に自社料金を設定するため、料金水準全体を下げるには「まず大手が安い電力を売る必要がある」との声も根強い。