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「地球人の幸福と福祉のためのカローラ」
平成14年に10代目のコンセプトプランナーとしてカローラ開発に参加し、現行の11代目のチーフエンジニアを務めた常務理事の安井慎一(52)は、前任者に見せられた長谷川直筆の色紙が心に残っている。
昨年9月、安井はカローラの生産開始の式典に出席するため、パキスタンの工場を訪れた。移動中は車両の前後を機関銃を持った警察官が警備したという。
現在カローラはトヨタ車の中で最も生産拠点が多く、新興国も含め150カ国以上で販売されている。地域ごとに車型や購入層は異なっており、安井は「パキスタンでは人や物資を運んでいる。品質が良く使いやすいというのがカローラの原点」だという。
グループの世界販売台数が1千万台を超え、トヨタは世界一のメーカーとなった。うち約130万台はカローラの売り上げだ。英語で花冠を意味し「自動車市場に咲く花」との願いを込めたカローラは来年、誕生から50年を迎える。(敬称略)