カローラ開発秘話、「打倒サニー」へ渾身のエンジン変更、33年国内首位の怪物生む (6/6ページ)

2015.8.20 01:12

カローラ1号車のラインオフ式=昭和41年(トヨタ自動車提供)

カローラ1号車のラインオフ式=昭和41年(トヨタ自動車提供)【拡大】

  • 第13回東京モーターショーに出展された初代「カローラ」=昭和41年(トヨタ自動車提供)
  • 初代「カローラ」の運転席。ハイウェー時代の到来をにらみ、高速運転で機敏な変速できる運転席脇のフロアシフトが採用された=愛知県長久手市のトヨタ博物館

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 「地球人の幸福と福祉のためのカローラ」

 平成14年に10代目のコンセプトプランナーとしてカローラ開発に参加し、現行の11代目のチーフエンジニアを務めた常務理事の安井慎一(52)は、前任者に見せられた長谷川直筆の色紙が心に残っている。

 昨年9月、安井はカローラの生産開始の式典に出席するため、パキスタンの工場を訪れた。移動中は車両の前後を機関銃を持った警察官が警備したという。

 現在カローラはトヨタ車の中で最も生産拠点が多く、新興国も含め150カ国以上で販売されている。地域ごとに車型や購入層は異なっており、安井は「パキスタンでは人や物資を運んでいる。品質が良く使いやすいというのがカローラの原点」だという。

 グループの世界販売台数が1千万台を超え、トヨタは世界一のメーカーとなった。うち約130万台はカローラの売り上げだ。英語で花冠を意味し「自動車市場に咲く花」との願いを込めたカローラは来年、誕生から50年を迎える。(敬称略)

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