□NTTデータ社会貢献推進室・前田京子さん
■フェアトレードをグローバル展開
企業の社会貢献は、一握りの社員が担うことではない。まず志のある人が集まり、少しずつ輪を広げ、やがて会社全体で取り組めるようにする。そのような活動を推進していきたい。ただ、社会貢献を進める過程では、見える形として成果を表すことが難しく、時として歯がゆい思いをする。社会貢献により達成感や共有感などを抱いた社員たちが、日々の業務遂行に前向きになるなど副次的効果があるのだが、これは数値化しにくい。
一方、フェアトレード認証なら、途上国の生産者が受ける恩恵が第三者の視点でも報告される。これまで職場や社内カフェで購入していたコーヒーなどを置き換えるだけで、スモールスタートができる導入しやすさもある。寄付ではなく、購入することで継続した日常的な社会貢献につながる仕組みを、社内で浸透させていきたい。現在、取り組むコットンバッグはバリエーションを広げる考えで、国内外のグループ会社にも紹介していく方針だ。この活動を通し世界のグループ各社との交流を図り、考えを共有することできずなを強めていきたいと考えている。(談)
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□フェアトレードとは
■途上国の生産者を守るシステム
途上国で生産されるコーヒー、紅茶、綿花などの市場価格に対し安定した価格を設定し、長期的に購入する取引。本部は国際フェアトレードラベル機構(独ボン)にある。生産、買い付け、加工など各工程の認証取得が必要で、適合する製品には国際フェアトレード認証ラベルをつけることができる。途上国の生産者を支援し、子供たちに教育を受けさせられるなど、確実な社会貢献につながる。