石油元売り大手3社の平成27年9月中間連結決算が5日、出そろった。夏場以降の原油安が直撃し、全社とも最終損益が赤字になった。中間期としての最終赤字はJXホールディングスが22年の発足後、出光興産が18年10月の上場後でそれぞれ初めて。コスモエネルギーホールディングスは2年連続。原油価格に回復の兆しが見られないことなどから、28年3月期の業績予想は全社が下方修正した。
原油価格は7月以降、中国経済の減速で需要が減るとの見方が強まり急落。アジアで指標となるドバイ原油の4~9月期の平均価格は1バレル=約55ドルと前年同期に比べ48ドル値下がりした。
原油価格の下落で備蓄原油の価値が目減りし、JXで1187億円、出光で384億円、コスモで125億円の在庫評価損が生じ、赤字を余儀なくされた。
売上高はJXが従来予想を1774億円、出光が2140億円、コスモが655億円下回った。原油安でガソリンなど石油製品価格が下がり、売り上げを下げる要因となった。
5日記者会見したコスモの滝健一常務執行役員は「石油市況の下ぶれを想定し、財務体質の改善を進める」と述べた。