来年3月に生産を終了するソニーのベータビデオカセット【拡大】
ビデオレコーダーとして多くの家庭で愛用された「ベータ」の磁気テープが、家電のデジタル化の進展により約40年の歴史を終え、市場から姿を消す。ソニーは10日、「ベータビデオカセット」の出荷を来年3月にやめると発表した。すでに録画再生用機器の販売は終えていたが、テープについては一定の需要があるとして出荷を続けてきた。
ソニーは1975年、家庭用テープレコーダーの先駆けとなるベータマックス方式の機器を発売。最盛期の84年度には約5000万巻を出荷したという。後に松下電器産業(現パナソニック)などが推したVHS方式との規格争いで劣勢となり、録画再生機器は2002年に生産を取りやめた。「アナログ地上放送の終了や需要の推移をみた」(ソニー)としてテープも出荷をやめる。
ソニーはこれと同時に、家庭用ビデオカメラ用の「マイクロMVカセット」の出荷も来年3月に終える。機器の販売は05年に取りやめていた。