NECが実施した“実戦”さながらのサイバー攻撃対策の演習=9月18日、東京都港区【拡大】
訓練メールのライセンスは、1通につき500円(税別)と安価だ。今年6月に発覚した日本年金機構の個人情報流出事件では、職員がウイルスの入った添付ファイルを開封したことがきっかけだと分かり、セキュリティー意識の甘さが問題となった。同社は「いつでも気軽に訓練ができること」をコンセプトに、防災訓練と同様の浸透を目指す。
政府も日本再興戦略の柱の一つとして、世界最高水準のIT社会の実現を掲げ、セキュリティー強化に余念がない。経済産業省は、独立行政法人情報処理推進機構に設置したサイバーレスキュー隊の体制を強化し、サイバー攻撃の再発防止を支援したり、各国の対応窓口と連携したりすることを進めている。
あらゆる機器をインターネットで結ぶ「インターネット・オブ・シングス(IoT)」が普及すれば、サイバー攻撃の被害は広範に及ぶ。企業はセキュリティー対策をコストではなく、戦略的投資と認識する必要がありそうだ。(鈴木正行)