2010年1月に始まったコペンの全面改良は、当初から高いハードルが課せられていた。技術の進化に伴う改良のみならず、若者のクルマ離れなど将来への懸念がある中、「ダイハツの存在感をいかに示していくか」という使命があったからだ。開発メンバーは「スポーツカーとは何か」など根本的な議論から進めていた。
だが、藤下氏は「販売店で見て触りたいと興味を示す新しい価値が足りない」と考え、開発を一時凍結。約4カ月にわたり他社製も含めたクルマ愛用者らの声を聞き、新しい価値を探した。
藤下氏は聞き取りを経て、「みなクルマのある生活をそれぞれ楽しみ、興味もある。いかに本気でつくって伝えるかだけだ」と直感した。その思いから企画、開発、生産、販売の「全てを変える」のかけ声のもとに各部署からメンバーを集めた専任チームを立ち上げ、組織の壁を取り払って開発を進めた。