NTTドコモは26日、2020年頃の商用化を目指している第5世代携帯電話(5G)サービスで、屋外実験に初めて成功したと発表した。東京都港区の商業施設や韓国で走行中の自動車内で、現在のLTEの最大で10倍近い速度の無線伝送に成功したという。
ドコモによると、10月13日に、東京都港区の六本木ヒルズ森タワーで、フィンランドのノキアソリューションズ&ネットワークスの日本法人と5G技術の実証実験を実施した。これまで、商業施設のような障害物が多い環境では、5Gの無線伝送は難しかったが、電波の放射を特定方向に集中させるなどの技術を使って成功させた。
11月12日には韓国・水原市で、時速60キロで走行中の車内で、韓国・サムスン電子と合同で実証実験を実施。受信時に毎秒2.5ギガビット以上の速度でデータ転送に成功した。ドコモは26、27日に神奈川県横須賀市のR&Dセンターでこれらの実験成果を公開している。実験室などの閉ざされた環境ではなく、実際に5G機器が使用される屋外環境で成功したことで、商用化が大きく進展したと言えそうだ。