4Kテレビはシャープを救うのか いよいよ運命の年末商戦に突入 (2/5ページ)

2015.12.13 17:12

テレビが気温40度の環境で機能を保てるかを確認するための実験=11月19日、栃木県矢板市のシャープ栃木工場(織田淳嗣撮影)

テレビが気温40度の環境で機能を保てるかを確認するための実験=11月19日、栃木県矢板市のシャープ栃木工場(織田淳嗣撮影)【拡大】

  • 4Kテレビの組み立てを行う作業員ら=11月19日、栃木県矢板市のシャープ栃木工場(織田淳嗣撮影)
  • 堺工場(堺市)から直送された、4Kテレビ用のパネルの保護膜をはがす作業員ら=11月19日、栃木県矢板市のシャープ栃木工場(織田淳嗣撮影)
  • 国内向けのテレビを生産しているシャープの栃木工場=11月19日、栃木県矢板市(織田淳嗣撮影)
  • 高精細な8K、4Kテレビについて説明する担当者=11月19日、栃木県矢板市のシャープ栃木工場(織田淳嗣撮影)

 公開されたのは、60型の4Kテレビの生産設備だ。フルハイビジョンの4倍の画質の4Kテレビは国内市場が拡大中だ。「昨年から今年にかけて2倍強に伸びており、この流れはますます続く」(小谷執行役員)といい、シャープは大型を中心に製品ラインアップの拡充で攻勢をかける方針という。

 生産現場では、液晶パネルの移送に改造した中古のロボットが使われていた。液晶パネルを吸着する道具やロボットアームを制御するソフトは工場内で独自に開発したといい、低予算で効率的な生産ラインに工夫を凝らしていた。生産工程数も、経営危機に陥っていた3年前からの1年で半分に減らしたといい、ギリギリまで生産の効率化を進めたことを浮き彫りにした。

 小谷執行役員は「開発現場と生産現場が一体となったからこそ実現できた」と強調。テレビ事業で北米や欧州から事実上撤退したシャープにとって日本国内とアジアが主戦場だ。小谷執行役員は「マザー工場としての栃木工場は今後も、国内市場を戦っていく上で戦略的な重要性が高まっていく」と力を込めた。

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