携帯料金引き下げに向けた総務省の有識者会議に参加した野村総合研究所の北俊一上席コンサルタントに議論の意義と課題を聞いた。
--安倍晋三首相発言で始まった携帯電話料金引き下げ論議をどうみるか
「9月11日の経済財政諮問会議後に出た首相発言は『通信業界の9・11』といわれた。しかし通信業界は信頼をなくしており健全で誇りを持って働ける業界に正すチャンスと前向きにとらえるべきだ」
--信頼を得られない原因は
「競争は盛んだが事業者間の競争に明け暮れ、お金で客を取り合っているうちに不公平感が広がりゆがみ過ぎた。2007年に総務省は端末とサービスの価格分離を打ち出したが元に戻りジレンマを抱えていた」
--端末の「実質0円」の原資となる販売奨励金の是正と低料金プランの導入が議論の柱だった
「0円どころかマイナスになるような常軌を逸した売り方は是正しなければならない。販売奨励金は縮減の方向だが、いきなりゼロになることはない。縮減分がデータ通信をあまり使わないライトユーザー向け料金プランの原資になればいい」