東芝 周回遅れの改革 家電大なた振るうも「攻め」の戦略見出せず  (3/3ページ)

2015.12.21 23:12

東芝本社

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 21年3月期に7800億円の最終赤字を計上した日立製作所は、増資などで3千億円超の資金を調達し、改革を進めた。だが、会計不祥事により、東証から「特設注意市場銘柄」に指定された東芝は、増資などによる資金調達は困難で、「重い決断」(室町社長)を迫られた。

 ■成長戦略いかに 

 東芝幹部は「今の会社にとって、不採算事業の整理よりも、本業の収益回復が重要だ」と指摘する。特に27年3月期に2502億円だった記憶用半導体の営業利益は、「売価の下落が響いた」(平田政善最高財務責任者)ため、28年3月期は1300億円に減少する見通しだ。

 東芝は21日、来年3月までに新たな中期経営計画を策定する方針を正式に示した。かつて巨額赤字を計上した日立やソニーなど同業他社は、早期に撤退などの対策を講じ、新たな成長分野に経営資源をシフトしてきた。だが東芝は新たな投資も制約される。いかに成長戦略を描くか、課題は山積している。

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