平成28年春闘で電機大手のベースアップ(ベア)は、前年実績の月額3千円を下回る公算だ。今年の要求額(3千円)に対し、経営側は業績への先行き不安が根強く、満額回答は難しいとみられる。労使は具体的なベア水準の交渉に入るが、1千~2千円を軸とした攻防になる可能性が高い。
電機大手の経営幹部は今春闘について「各社の業績は厳しい。昨年とは状況が異なる」と強調する。電機春闘は大手6社の労使が主導的な役割を果たすが、経営再建中の東芝の労働組合が電機連合の「統一闘争」から離脱した。
また1月には富士通が、2月には日立製作所、パナソニック、NECが相次いで28年3月期の連結業績予想を下方修正している。中国の景気減速に加え、世界的な金融市場の混乱で、経営側は先行きへの不透明感を強めており、賃上げへの認識は極めて厳しい。
電機連合の有野正治中央執行委員長は先月29日の会合で、「この3年間で一番の厳しさを感じている」と危機感を示した。各労組も「(ベアの)水準交渉にはまったく入れない状況」「進展はない」など、難しい交渉状況を報告した。
ただデフレからの脱却に向け、賃上げが重要とする今春闘の社会的意義については、経営側も理解を示しており、一定のベアは実現する可能性が高い。
電機大手労使の交渉は今月16日の一斉回答に向け、激しさを増しそうだ。