羽田空港の国際線ターミナル。昼間に羽田を出発する米東海岸行きの直行便が今秋にも実現する【拡大】
日米両国間で“喉に刺さる骨”となっていた羽田空港の昼間発着枠の割り当てをめぐり、航空当局の交渉が先月、妥結にこぎつけた。羽田から深夜早朝以外にも米国路線が就航できるようになり、ドル箱路線であるニューヨークなど東海岸への直行便が10月下旬にも実現する見込みとなった。交渉は成田を拠点とする米デルタ航空の横やりもあって長引いていたが、昨年11月の米国のフォックス運輸長官の来日を機に流れが変わった。
デルタの強い抵抗
羽田の昼時間帯(午前6時台~午後10時台)の発着枠は2014年春に1日40枠追加され、うち31枠が欧州やアジア方面へ配分された。その後、日米の交渉で足踏みが続いた背景には、米政界へのロビー活動に熱心なデルタ航空の強い抵抗があった。
デルタにとって、成田はアジア地域の拠点。米国から乗せた客が成田でアジア各国への便に乗り継げるネットワークを有しており、海外航空会社として唯一、成田に格納庫から機内食部門までそろえている。東京都心に近く利便性の高い羽田から米東海岸への便が飛べば、拠点の成田から客が流れてしまう。
「成田の地盤沈下につながる日米交渉は妥結しない方がいい」(航空業界関係者)というのがデルタの本音だった。「成田路線がある米国主要都市の政界関係者やメディアに、このままでは成田便が廃止を迫られかねないと訴え、世論形成してきた」(同)という。