だがしかし。本場イタリアに限らず、実はスタバの海外進出はこれまでから苦労の連続なのです。日本では進出直後から高く支持されたので、他国でもうまいことやっている印象が強いのですが、英国では利益が出るまでに17年もかかったほか、カプチーノやカフェ・ラッテよりミルクの量が少ない「フラットホワイト」や「ショートブラック」と呼ばれるエスプレッソがあるなど、これまたコーヒーの味にうるさいお国柄で知られるオーストラリアでも、2000年に進出したものの支持を得られず、結局、08年に全体の約7割の店舗を閉鎖した経緯があります。
最近は、最大でティースプーン25杯分もの砂糖が入ったホット飲料まであることが分かり、世界を驚かせたスタバ。成功するにせよ失敗するにせよ、世界最大のコーヒー市場と洗練されたカフェ文化を有する本場イタリアへの進出は、スタバのビジネスにいろんな意味で原点回帰を促すことになるでしょう…。 (岡田敏一)
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【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部などを経て現在、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。京都市在住。
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