重工大手の三菱重工業が、業界各社との事業再編のキープレーヤーとなっている。数多くの事業を抱える同社が、事業の「選択と集中」を加速する中、関連するさまざまな企業を巻き込んで再編をリード。グローバルで戦える強い企業群が作り出されようとしている。
統合で奪首うかがう
「統合でシナジー(相乗)効果を創出し事業を拡大したい」。3月に発足した三菱重工フォークリフト&エンジン・ターボホールディングス(MFETHD)の前川篤社長は6日に開いた会見で、新会社への意気込みを語った。同社はフォークリフトとエンジン、自動車向け過給器の3事業を統合した新会社。傘下の子会社でフォークリフト世界シェア6位のニチユ三菱フォークリフトが、同8位のユニキャリアHDを3月に買収。これから事業展開を本格化させる。
今回の事業統合で、MFETHDはフォークリフト業界で世界シェア3位に浮上。経営統合は当面見送るが、ユニキャリアと調達や開発など一本化してコストを削減。2020年度には、営業利益ベースで首位の豊田自動織機を追い抜きたい考えだ。