バンシ・グループが勝ち残ったのは、すでにベルサイユ宮殿やルーブル美術館など歴史的建築物の改修で実績があったことに加え、エッフェル塔の営業を続けながら改修を進める方針を打ち出したからだ。エッフェル塔の運営は観光客からの入場料で成り立っているため、この点が高く評価された。
営業しながらの工事のためクレーンを使うことができず、資材を運ぶエレベーターと足場を組んでの作業となった。中央部に巨大なネットをはるなどの観光客への安全面にも配慮した。
改修作業は昨年夏に無事完了。もともとの景観を損ねることなく、中央部分に世界最大というガラスも使用するなど、一部で改良も加えた。塔内には3D(立体)映像で塔について学べるパビリオンを新たに設置したほか、従来は2つしかなく、常に行列ができていたトイレも増設した。