東京ガスの器具販売店では積極的に電力相談会を開く=4月29日、東京都世田谷区の東京ガスライフバル東世田谷三軒茶屋店【拡大】
家庭が電気の購入先を自由に選べる電力小売りの全面自由化が始まり、1日で1カ月が経過した。首都圏を中心に顧客獲得競争が進み、都市ガス大手や石油元売り大手などの新規参入事業者が割安な「セット割」を前面に打ち出して攻勢を強めている。契約を切り替えた家庭は全国で74万件(4月22日時点)に達したが、総契約数の1%程度にとどまる。増加ペースは鈍ってきており、様子見気分が強い消費者の関心を引く販促が重要になってくる。
「多くの会社が色々な新プランを出していて様子を見ていたが、来店してみたら料金説明が分かりやすく、安心できた」
大型連休初日の4月29日、東京都世田谷区内にある東京ガスのガス器具販売店に電力相談会のチラシを見て訪れた60代夫婦は、東ガスと契約した理由をこう語る。住居は同区内の一戸建てで、ガスとのセットで電気代が年間1万6000円ほど安くなるのが決め手となった。