三菱自動車のSUV「RVR」の現行モデル(提供写真)【拡大】
また、軽以外に不正の疑いが及ぶことで、販売の落ち込みがより深刻になる恐れがある。三菱自の4月の新車販売は、軽が不正による販売停止で前年同月比44・9%減少する一方、RVRなど普通車は37・9%増えて好調を維持した。相川社長は軽以外の車種について、「生産・販売停止にあたらない」と語ったが、イメージ悪化などで販売が鈍化する可能性がある。
益子会長はこの日の会見で、「海外向けの車種は各国の規制にのっとったものだと確認した。踏みとどまれるようにがんばりたい」と語った。平成27年度は海外事業が売上高の約8割を占め、営業利益の大半を稼ぎ出す。海外市場にイメージの悪化が広がれば経営に大きな打撃になる。
益子会長は、「改革を受け止められるか見極めて進退も考える」と当面の辞任を否定した。だが、不正に加えて業績悪化が進めば、経営責任が問われるのは必至だ。
三菱自は軽以外の車種についても再報告で一定のめどをつけたい考え。三菱グループへの金融支援要請について、益子会長は「27年度まで順調にやってきたので、自分たちの力で乗り切れる」と否定したが、不正問題の拡大で再建への道筋はさらに遠のいた。