三菱自動車の本社ショールーム=13日午前、東京都港区(撮影・春名中)【拡大】
自動車大手7社の平成28年3月期連結決算が13日出そろった。円高の進行により29年3月期の業績予想では、ホンダと業績予想未公表の三菱自動車を除く5社の本業のもうけを示す営業利益が減益の見通し。円高の逆風に加え、熊本地震に伴う影響、タカタ製欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)拡大に伴う対策費の増加もあり、最高益決算が相次いだ28年3月期から収益環境が悪化する。
今期決算で各社業績の重しとなるのが円高だ。いずれも対ドルの想定為替レートで、前期より1ドル当たり15円もの円高を予想する。
トヨタ自動車は円高影響で9千億円超の減益要因が生じ、29年3月期の営業利益は前期から4割減る見通しだ。減益は東日本大震災の影響で減産した24年3月期以来5年ぶりとなる。日産自動車も、円高が2550億円の減益要因となり、営業利益予想は1割超減る見通し。カルロス・ゴーン社長は「業績の逆風が吹いている」と懸念を示す。
熊本地震に伴う生産影響も業績を下押しする可能性がある。地震で4月に二輪車生産が止まったホンダは、生産減少で今期に210億円の影響を受ける。費用は工場の復旧費などで、さらに膨らむ恐れもある。