慢心や奢り…三菱自の闇は深すぎる 池田直渡氏が試乗を“封印”し続けた理由 (6/9ページ)

2016.5.15 17:06


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 報道によれば、この改修記録は通常のリコール書類と別に更衣室のロッカーに秘密裏に保存されていたというから、杜撰とか場当たりという怠慢に起因するものではなく、明らかに組織ぐるみの意図的な隠蔽である。それが姑息ではないから質が悪い。悪いと知っていて逃げ隠れしているのではなく、自らの無謬性を信じて「運輸省なんかに何が分かる」と馬鹿にしていたとしか思えない。このリコール隠しが発覚した際も、運輸省からの度重なる事情聴取にしらを切り、死亡事故をきっかけに警察が家宅捜索を行って証拠書類が押収されたという経緯なのだ。

 普通の不正問題とはレベルが違う

 2件の死亡事故についても説明が必要だろう。2002年に三菱のトラックでは設計不良によって神奈川県と山口県で2件の死亡事故が起きている。神奈川県ではハブの設計不良によって脱落した車輪の直撃で、ベビーカーを押していた母親が死亡。山口県ではトラックのプロペラシャフトの一部が脱落し、残ったシャフトがブレーキ配管を損傷。制動能力を失ったトラックが暴走し運転手が死亡した。

 特にハブについては同様の脱落事故が同業他社との比較で明らかに異常が認められるほど頻発しており、問題視した運輸省は前述の様に聞き取りを行っている。にも関わらず、三菱はこれを「整備不良によるもの」とユーザーに責任を押しつけ、取り合わなかった結果、リコールが行われずに死亡事故が引き起こされた。

通常、自動車の設計時に、部品の強度を決めるにはいくつかの段階を踏む

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