災害時の通信手段
5G向けの技術としてKDDI研究所のブースで紹介されていたのが「D2D」、デバイス間通信の技術だ。これは、従来であれば基地局とやり取りするスマートフォンなどの端末が、最寄りの基地局が混雑している場合、近くの端末を経由して通信するというもの。通信量がさらに増えると見込まれる中で、基地局設備への負担軽減を図る災害時のいざというときの通信手段としても期待される。
このときD2Dで通信するのは、LTEだけではなく、Wi-Fiスポットなど、より高速で通信できるルートを利用する形。D2Dでデータを受信する端末は、併せて最寄りの基地局とも同時に通信しておき、2つのルートの通信を束ねて高速通信する。「束ねて通信する」という部分は、似たコンセプトの技術として既にキャリアアグリゲーションが存在するものの、担当者によればキャリアアグリゲーションは物理レイヤーでの処理となる一方、D2Dで束ねて通信するのはその上のレイヤーで実現しているという。