きなこは飛び散りやすく、厨房(ちゅうぼう)内で他の商品に混じってしまうのではないかという懸念だった。全国販売に向け1年を切った段階での新たな難題に、頭川さんも困り果てたという。
まず試したのは、きなこを飛び散りにくくする工夫だった。
きなこに熱を加えて処理すれば、飛び散りにくくすることはすぐに可能だったが、風味は落ちてしまう。試験販売よりも味が落ちては、新商品として出せない。きなこを製造する取引先と試行錯誤が続き、「時にはメーカーさんから『いい加減にしてくれ』と怒られることもあった」と振り返る。
14年10月から始めた改良作業の結果、味と両立させて商品化が可能なレベルに達したのは半年後の15年3月。5月に予定していた全国販売に「手続き上、ぎりぎり間に合った」という。
こうして全国販売にこぎ着けたハロハロ黒蜜きなこは、ターゲットとしていた30~40代の女性客に人気だったほか、宇治金時を購入していたシニア層、男性客からも評判が良く、結果的に幅広い層から支持される大ヒット商品となった。今年も基本的なレシピは変更していないが、「黒蜜により黒糖の味が感じられるようにしたり、氷に黒蜜がより絡んで味わえるように製法を工夫したりした」と明かす。