
あらゆる産業機器をIoTの情報基盤「プレディクス」とつなぐイメージ(GE提供)【拡大】
一方、「製造、流通、金融、公共など業界を問わず、経営トップのIoTへの関心は日増しに高まっている」と話すのは日立製作所の小島啓二執行役専務だ。
日立は5月に情報基盤「ルマーダ」を発表し、企業に提案活動を始めた。IoTを活用しなければ、時代に乗り遅れると危機感を抱く経営トップが多く、引き合いは増えているという。
また、IBMはIoTビジネスを推進するため、3月に世界8カ国に「ワトソンIoT事業部」を新設した。システムをつなぐ技術に強いIBMは、自社の情報基盤をベースに他社と協業し、新たなサービス創出に力を入れている。
すでに工場制御で三菱電機と、自動車の高度な運転支援で富士重工業、ロボットで安川電機とそれぞれ協業を始めている。こうした取り組みで活用ノウハウを吸収し、企業への提案の幅を広げる戦略だ。
「売る」より「助ける」
米調査会社IDCによると、IoTは2020年に1.7兆ドル(約170兆円)の巨大市場になると見込まれている。世界には現在30~40の情報基盤があるとされるが、市場の“主役の座”を獲得できれば大きな収益が期待できる。