出光の創業家説得の決め手なし 昭和シェルとの合併問題、かみ合わぬ認識 (1/3ページ)

出光興産の歴史と今後の予定
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 昭和シェル石油との合併計画をめぐる出光興産の経営陣と創業家の対立は、直接協議を経ても解決の糸口が見えない。33.92%の出光株を持つと主張する創業家は、合併の取り下げを求める姿勢を崩していない。経営側は粘り強く創業家を説得していく考えだが、決め手に欠ける。社風や中東情勢などにからむ両者の認識には、依然大きな溝が残ったままだ。

 遺訓が背景に

 創業家が6月28日の定時株主総会で合併に反対した理由は、同社が守ってきた創業者の“遺訓”が背景にある。

 創業者の出光佐三氏は自ら掲げた「大家族主義」を求心力に積極果敢な経営手法で会社を成長させた。第二次世界大戦後の混乱の中でも社員の雇用を守り抜いた。2006年まで非上場を貫き、現在も同社に労働組合は存在していない。佐三氏の理念を強みとしてきた経営手法は、株主の利益を最優先とする欧米流の企業経営とは対極を成す。

 一方、合併相手の昭シェルは巨大石油資本(メジャー)の系列で労組を持つ。出光昭介名誉会長ら創業家は「社風が違う」両社の合併で、出光らしい経営が損なわれることに懸念を示した。合併以外の手法でも経営統合を受け入れない構えだ。

対する経営側は「昭シェルの労使関係は良好」と説明