
英語での説明を聞きながら墨絵体験を楽しむアルゼンチン母子=東京・神保町【拡大】
電通が20カ国・地域で実施した調査でも、アジアの関心は地方にシフトしていることが鮮明だ。体験したいことも温泉、自然、桜、ローカルフードなど多様化している。電通は地方ブームの背景として「個人観光客のリピーターが増えている」と説明する。
高橋氏は「日本に来なければ体験できないことを紹介していきたい。体験すれば日本への理解も深まり、来たかいがあったとなるはず」と指摘。その上で「ディスカバー、アメージング、ユニーク」をキーワードに魅力的なプラン探しに東奔西走している。ベルトラの倉上氏も「日本中にアンテナを張って、われわれにしか紹介できないものを集めていく」と強調、リピーター向けにユニークで深みのあるプランを提供していく。
ただ、欧米は日本の伝統に興味をもち、東南アジアと台湾は流行体験、シンガポールや香港は四季を楽しむというように国・地域によって体験したいことが違う。しかも旅のスタイルは各人各様なので、興味をそそる体験プラン探しはつきない。
政府は20年時点で訪日客を4000万人に増やし、消費額を8兆円に引き上げる目標を決めた。達成には英語で体験できるプランの拡充が求められる。