
日銀が“物言わぬ安定株主”となる中、生保各社は議決権行使を厳格化している(ロイター)【拡大】
生命保険各社が「物言う株主」として投資先の会社提案に対する議決権行使の厳格化に乗り出した。住友生命保険は7日、投資先企業の議案への賛否を初めて公表。明治安田生命や第一生命保険も賛否を開示し、投資先企業への働きかけを強めている。一方で、大規模追加緩和の一環として上場投資信託(ETF)を買い進める日銀は、結果的に上場企業の“隠れ大株主”となっており、企業統治(ガバナンス)の後退を指摘する声も上がっている。(飯田耕司)
住友生命保険は同日、株式を保有する2042社が昨年7月から今年6月にかけて開いた株主総会で、全体の6.9%に当たる141社の会社提案に反対したと発表した。議案別では、投資先企業の計7873議案のうち、139社157議案に反対した。
社外監査役への退職慰労金支給については「独立性を失い監査機能の低下につながる」として反対した。また、配当性向の水準が低位にあることや、社外取締役の(取締役会)出席率が低いなどの理由から反対した議案もあった。
同様に第一生命が開示した議決権行使状況では、全体の12.7%に当たる286社で、明治安田生命も7.1%に当たる102社の提案に反対した。日本生命保険は反対数を公表していないが、議案を出す前に投資先企業と対話を進めた結果、平成28年3月期の配当が前年同期比で増加した割合が59%となった。全上場企業の増加率に比べ9ポイント高かったという。