ファミマのお弁当が“突然おいしくなった”理由 「数打てば当たる」もうやめた (3/8ページ)

 それをいかにして、味や品質を保ちつつ、コンビニの価格帯に落とし込めるかがポイントになる。レストランなどで食べる外食、自宅で調理する内食に対し、外で買ってきて自宅やオフィスで食べるのが「中食」だ。コンビニにとって、ナショナルブランド商品とは異なり、プライベートブランドとして他社と差別化しやすいカテゴリーだ。利益率も高いため、どのコンビニチェーンも、中食の開発に力を注ぐ。弁当などの目的買いが増えれば、そのほかのドリンクや雑誌、菓子などのついで買いなど併売効果も狙える。

 こうしておにぎりは美味しくなった

 14年、ファミマは、中食の改革を目的に掲げた専門の新部署を立ち上げた。その名も「中食構造改革推進部」。従来の縦割り式の各部署を横断することで、あらゆる商品の抜本的なリニューアルを推し進める。

 改革第一弾はおにぎりだった。おにぎりはコンビニの顔とも呼べる商品だが、これが「あまり美味しくなかった」。商品本部長の本多利範氏によると、米を炊いた後の蒸らし工程に問題があったという。

 「これまでは、炊飯後の米を蒸らした直後に、98度から一気に瞬間冷却していました。しかしこれだと、まだ米に水分が付着しているままなので、味が劣化してしまうんです。これを改善するため、蒸らした後に水分を吸い取る装置を付けました。70度以下に冷ました米を冷却すれば、米の旨みは失われずに保存することができます」

サンドイッチのハムは、これまでメーカーからスライスした…