ファミマのお弁当が“突然おいしくなった”理由 「数打てば当たる」もうやめた (4/8ページ)

 海苔も季節に合わせて乾燥度を変化させ、さらに米の水分が移らないよう、3層シートに取り換えた。おにぎり、弁当、から揚げ、サラダ、パスタ、ラーメン……、あらゆる商品の問題点を徹底的に改善した。

 サンドイッチのハムは、これまでメーカーからスライスしたものを仕入れていたが、塊肉を仕入れ、工場でスライスするようにした。美味しい部位まで使えるほか、ハムのしっとり感は増し、コストは下がった。パスタ用のトマトソースも、パック詰めの仕入れをやめ、工場で一からつくるようにした。

 「お肉ごろごろビーフカレー」。その名の通りの肉のゴロゴロ感に加え、ご飯の立体的な盛り付けが特徴。

 「育てるサラダ」。買ってびっくりした人も多い。これは水をやって「育てるサラダ」なのだ。

 当然、新機械導入などコストもかかるため、工場の工程も見直した。

 「13年頃、多品目製造を抱えた工場は疲弊しきっていました。そこで各工場の生産アイテムを、およそ200アイテムから100アイテムへと半減させました。それまで弁当やサンドイッチなど、管理温度帯が異なる商品も一工場で生産していましたが、これも新たに専門工場をつくり、分散化しました。結局、美味しいものをつくるためには、ある程度投資も必要なのです」(足立氏)

「結局、あの狭いスペースに200アイテムものフードなんて並ばないんです」