ファミマのお弁当が“突然おいしくなった”理由 「数打てば当たる」もうやめた (7/8ページ)

 ファミマは10年にも、当時業界7位だったエーエム・ピーエムを吸収合併した経験を持つが、当時のエーエム・ピーエムの店舗数は約1100店舗と今回より小規模だった(実際にファミマとして残ったのは733店舗)。今回はそれをはるかに上回る店舗数を、2年半で統合するのだ。莫大なコストや労力もかかる。

 それでもなお店舗数増大にこだわる背景には、「ドミナント戦略」(狭い地域への集中展開)を徹底させたい思惑がある。日本のコンビニを事実上生み育てた鈴木敏文氏が、セブンの事業スタートに際し、出店エリアを厳格に制限してきたのは有名な話だ。1号店が豊洲にオープンして以来、当面は新規出店を「江東区から一歩も出るな」と指示したという。

 ある特定の地区に限定して大量に出店するメリットは、物流の効率化と宣伝コストの抑制にある。一気に全国展開すれば、広範囲エリアに物品を配送する労力・コストは跳ね上がる。当初からそれを見据えてドミナントを徹底してきたセブンと、後続のローソン、ファミマに、次第に体力面で差が表れた理由の一つだ。

なかでも東京、愛知、大阪の3大都市圏で、セブンを抜いて…