ファミマのお弁当が“突然おいしくなった”理由 「数打てば当たる」もうやめた (5/8ページ)

 一方、店舗ではフードの商品数が半減したわけだが、売り上げは下がるどころか、逆に上がったという。

 「結局、あの狭いスペースに200アイテムものフードなんて並ばないんです。だから、この店はこの弁当を、あの店はあの弁当と発注が分散する。あるいは多種品目を数個ずつ発注して、売り場が雑然となってしまう。これは一見、選択肢が豊富なように思えて、実はお客様の目には、売れ残り商品が並んでいるように映り、購買意欲が低下してしまう」(足立氏)

 もちろんオフィス立地や住宅街立地など、店舗によってニーズは異なるため、商品に幅を持たせる必要はある。だが、地域に合わせて調味料を変えるなど、必然性は低く、工場の負担が大きい工程は極力省いた。

 その結果、赤字体質が続いてきた工場の効率は改善され、黒字に転換。余剰分を投資に回せるようになった。

 中食以外にも、昨年5682アイテムあった商品は、今年は4600以下に削減し、その結果、新規商品の導入率は50%台から80%台に上昇した。死に筋商品が省かれ、新商品がどんどん店頭に並ぶ好循環が生まれたのだ。

「ある程度自分の欲しい商品というのは決まっているんですね。つまり…」