
タクシーの初乗り運賃を410円にする実証実験で、東京のJR新橋駅東口から利用する乗客=8月【拡大】
実証実験のきっかけは地区内の保有車両台数が8割を超えるタクシー会社が、4月から7月にかけて初乗り運賃を短くして料金を引き下げる内容の申請を相次いで行ったため。実証実験の運賃設定も申請内容が加味された。
タクシー会社が初乗り運賃引き下げに前向きな背景には、業界の厳しい市場環境がある。
2008年のリーマン・ショック以降にタクシー需要は低迷。航空や鉄道などの旅客市場が回復基調にある一方、タクシーの14年度の国内輸送人数は05年度比で3割近く減少した。業界は4年後の東京五輪に向け、「世界水準のサービス」を売り文句に訪日客需要を取り込む考えで、初乗り運賃引き下げは戦略の一環だ。
実証実験の開始から1カ月が経過した段階では、利用者からは「また利用したい」との声が多く寄せられているという。実証実験に参加するタクシー大手の日本交通が実施したアンケートでは、利用者の3分の2近くが「タクシーの利用機会が増えそう」と回答した。