
燃費不正問題で会見する鈴木修会長(中央)と鈴木俊宏社長(右)=6月8日、東京・霞が関の国土交通省(撮影・春名中)【拡大】
軽自動車を主力とするスズキが、国内専用規格の軽販売でひたすらシェアを追い求める「乱売競争」とは距離を置き始めた。昨年4月の軽自動車税増税後、市場が冷え込んでおり、その中でディーラーへの押し込み販売が続けば、割安な新古車が大量に出回って、ブランドの毀損(きそん)を招くと判断しているためだ。スズキの方針転換は、ワンマン経営で同社の成長を牽引(けんいん)してきた鈴木修会長の経営改革に向けた総仕上げでもある。
政府が昨年4月に軽自動車税を従来の1.5倍の年1万800円に引き上げて以降、税負担の増加が嫌気され、各社の軽販売は大きく低迷した。その中で各社が販売台数を維持しようと、買い手のいない新車をディーラーなどの名義で一旦届け出して販売台数をかさ上げするやり口を展開した結果、ほぼ未使用の新車が次々と「新古車」として、中古車市場に流れ出した。
スズキ主力の軽「ワゴンR」を昨年、新古車で購入したという千葉県の40代男性会社員は「わずか4キロしか走ってなかったのに、新車で買うより数割程度安く手に入れられた」と話す。