
燃費不正問題で会見する鈴木修会長(中央)と鈴木俊宏社長(右)=6月8日、東京・霞が関の国土交通省(撮影・春名中)【拡大】
ブランド維持 白物家電の二の舞い回避
こうして、ほぼ未使用の新車が新古車として市場にあふれた結果、新車の値崩れや中古価格の下落というしっぺ返しとして各社に跳ね返ってきた。自動車メーカーにとって中古車市場での価格が落ちることは、その車両のブランド価値が落ちるのとほぼ同意義。乱売競争の行き着く先は軽全体の地盤沈下で、スズキの鈴木会長は、汎用(はんよう)化して、価格以外に価値が打ち出しにくくなった白物家電の「二の舞いになりかねない」と危機感を強めていった。そこでスズキは昨年10月以降、シェアより「一台一台を大事に売る考え方に転換」(鈴木会長)し、乱売競争と一線を画すようにした。
戦略の変化は販売台数からも見て取れる。スズキの今年1~7月の軽販売は前年同期比9.2%減少。5月に軽などで燃費不正問題が発覚した影響もあるが、7月まで19カ月連続でマイナスということを考えれば「売り方改革の影響の方が大きい」(証券アナリスト)と見るのが自然だ。
一方で、小型車を中心とする登録車は7月まで11カ月連続でプラス。スズキの国内販売統計からは、軽の無茶売りを控えながら、より利幅の大きい小型車を強化する“修改革”の実態が浮かび上がる。