【日本発!起業家の挑戦】コミュニケーション・ロボットの未来 (1/6ページ)

2016.10.4 05:00

ユカイ工学の青木俊介氏
ユカイ工学の青木俊介氏【拡大】

 □ユカイ工学創業者・青木俊介氏に聞く

 日本には、ロボットに対するあこがれにも似た高い関心がある。文学や映画、アニメにはさまざまな形のロボットが登場し、当然のように、人型ロボットの開発に取り組むスタートアップも多い。今回のインタビューでユカイ工学の青木俊介氏と話すまで、私は正直なところ日本人のロボットに対する熱意がよく理解できなかった。

 青木氏は、販売するソーシャル・ロボットの「BOCCO」についてはもちろん、ロボット工学業界が今どのように変わりつつあるかについても説明してくれた。AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)の発展により、より高度なソーシャル・ロボットが可能になるばかりか、必ずなくてはならないものになるという。

 ◆時には楽しい物を

 --2007年のユカイ工学創業以来、面白くてクリエーティブな製品を開発されていますね。脳波を測定して気分を耳で表すネコミミは、世界中で話題になりました

 「僕たちは人とのコミュニケーションに主眼を置いたロボットの開発とデザインに取り組んでいます。その意味でコミュニケーション・ロボットと呼んでいます。社名の通り、時には役に立つばかりでなく楽しい物を作ろうとしています」

 --2年前に公開した主力製品がBOCCOですね。家族をつなぐというコンセプトは、具体的にどういう意味でしょう

 「BOCCOは子供の手にもなじむ小さなかわいいロボットで、スマートフォンから音声メッセージやメールを送ることで離れた場所にいる家族と話しやすい環境をつくります。例えば両親が共働きで鍵っ子が帰宅すると、親は会社から“おかえり”のメッセージを送ることができ、BOCCOを介してコミュニケーションがとれます」

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